キャリアアップへの道


ディレクターの手足になる

 テレビ番組の企画・制作に携わる場合、基本的にまずはAD(アシスタントディレクター)からのスタートになります。

 

 プロデューサーが予算や人員などの責任もとる総監督、ディレクターが番組を演出する現場監督とするならば、ADはディレクターの補佐として、彼らの手足となって動く役回りを担います。

 

 ひとつの番組を作り上げるには、出演者のほかにカメラマンや照明・音響、大道具・小道具スタッフなど、とても多くの人が関わっています。現場監督であるディレクターひとりだけでは、彼らへの細かな指示をすべてこなすことができません。

 

 そこで、ADはディレクターの手が回らない細かな仕事を引き受けるのです。たいていの場合、ひとつの番組を作るのに複数のADがつきます。

ADには覚悟が必要

 ADは24時間態勢で動き回らなければなりません。

番組によっては深夜のロケが普通であったり、悪天候に見舞われることも少なくはありません。

 

 また、たいていの場合、ロケ先には一番に乗り込んで、ロケがうまく進むようセッティングしなければなりませんし、満足に睡眠時間や食事がとれない日が続くこともあります。休日返上での仕事にも文句は言っていられません。

 

 このようなADの仕事は、「楽しそう」という気持ちだけでは、体力的にも精神的にも続けることができないでしょう。

 

 けれども、そんな苦労のもとに素晴らしい番組ができあがります。番組は、楽しみに観てくれる視聴者のためにあります。ですから、体力はもちろんですが、いい番組を作りたいという情熱、そして時には自分を差し置いても人のために動くことができるサービス精神が必要です。

 

 ほとんどのディレクターやプロデューサーは、AD時代を経験しています。AD時代は番組制作の流れを体得する、とても貴重な時間です。

優秀なADは番組制作に不可欠

 出演者やロケ先のリサーチ、移動や宿泊の手配、ロケ弁当の手配…などと、ADの仕事は多岐にわたります。番組によって状況も環境も異なりますから、その場の雰囲気を素早く察知して、臨機応変に行動しなければなりません。


 たとえば、真冬の屋外ロケで、寒くて具合が悪そうにしている出演者がいたとします。そこで、何も気がつかずにボーッと立っているか、それとも温かい飲み物を差し出すことができるか。この違いが、簡単なようでいて優秀なADになれるかどうかの分かれ目です。


 よく気がつくADがいると、スタッフも出演者も、気分良くスムーズにロケを進めることができます。優秀なADなくして、番組作りを円滑に進めることはできません。